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■ バンドばか話

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■ バンドばか話 10 : 右手が大パニック ・・・ 信頼度B

トロンボーンという楽器は数種類の倍音を唇の振動で出し、更にスライドを動かして音程を変えながらメロディーを奏でます。金管の中では最もシンプルな構造で歴史も古い楽器です。ただし真鍮でできたスライドは意外にデリケートで、ちょっとでも曲がると動きが引っかかってつらいことになってしまいます。

トロンボーン奏者のUさんがステージで演奏中。目の前にはマイクスタンド。例によってスペースは最小限で、譜面台とスタンドの間からスライドを出し入れする苦しい状況。これはまあ仕事場ではよくあることです。

この日のUさんはいつもより気合いが入ったか、ちょっと力を入れてスライドを動かしたところ先のほうがスタンドにガツっと当たってしまいました。
見た目は大したことなさそうだったんですが、先端から10cmぐらいのとこに小さなへこみができていた。
これでどうなるかというと、1番と2番ポジションの間の動きががくっと重くなってまともに動かなくなります。1番ていうのはスライドがいちばん手前にきて短くなった状態。1番ポジションはいちばん多く使うところなので、それが使えないと代わりのポジションを探しながら演奏するしかなく、手順は全部変わってしまいます。

しかも本番中に突然。

Uさんは遠いポジションを往復しながら悪戦苦闘。そう、指先でちょいちょいと動かせば済む手順も1番なしでははるか遠くに移動しなきゃいけないのですごく派手な動きになってしまいます。

ちょっとボクシングの練習をしてるみたいな感じ。

隣にいたトランペットの人はそれを見て、笑いをこらえるので必死だったそうです。

、、、う~ん、このおかしさ(ツラさ)を文章にするのは難しいなー。今回はスライドを大切にという教訓とともに、トロンボーン吹きの皆さんだけ笑って下さい。

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■ バンドばか話 9 : ベテランの実力 ・・・ 信頼度A

代々木体育館で保険会社のイベントコンサートがあり、かなり大規模なものだったので前日にリハーサルがありました。

この日Bar.SaxのIさんはひどい二日酔い。口をきくのもツライ状態でしたがプロの意地で必死の演奏。ようやく夕方にリハが終わるとさすがに打ち上げは欠席してまっすぐ家に帰りました。

次の日は午前、午後と2回まわしの本番。Iさんも元気に登場、「きのうはすいませんでした」とやる気十分です。

ところが本番が始まるとIさんのプレイはボロボロ。きのうは不調とはいえちゃんと吹いてたのに何が起きたんだろう、まさか昨日以上に飲んだのか
1部のステージが終わった後Iさんに聞くと、原因は実に意外なものでした。
譜面が最悪で写譜ミスだらけだったそうです。それをちゃんと吹いたからめちゃくちゃなプレイになってしまった。、、、じゃあ昨日は?

二日酔いで意識朦朧だったIさん、譜面を正確に読むどころではなく、絵ヅラと旗だけ見てヤマカンで吹いてたようなんです。ベテランでコードや曲の知識も豊富なIさんならではの珍事でした。

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■ バンドばか話 8 : とどめのイッパツ ・・・ 信頼度A

ポップス、歌謡曲の世界では今やキーボードシンセサイザーなしでは仕事になりません。オルガンやストリングスを始め三味線や尺八まで、あらゆる音色を自由自在に出す事ができます。アレンジャーの無理な要求にも答えることができる天下無敵の楽器なのですが、意外な落とし穴もあります。

有名演歌歌手Yさんのステージでのこと。雨乞いで有名な曲のイントロはピアノとギターでしずしずと進んでいき、歌の直前でキーボードがシシ脅しの音を一発
「カコーン」
と鳴らして歌に突入する手はず
何度も演奏して慣れてるはずのKB奏者F子さん
いつもの通り カコーン と決めるはずが、
音色のボタンを押し間違えたんでしょうか、
ピストル
を     それもすごい大音量

バキュ~ン!

発射してしまいました。
(そんな音色、入れておかなきゃいいのにねー)

何せ歌の1拍前。どうなるかヒヤっとしましたがそこは大ベテラン。しっかり歌い始めてくれたのでひと安心。

でも後ろのバンド席から見たYさん
歌いながらナナメに傾いていました

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■ バンドばか話 7 : これでメシ食ってんすよ ・・・ 信頼度B

現在ミュージシャンの仕事は激減、メシを食うのも大変ですが、終戦から昭和40年代ぐらいまでは仕事の山、今から思うと天国のような状態だったそうです。俺は世代的にギリギリ乗り遅れたんですけどね。トホホ、、、。

当時は仕事が多すぎて圧倒的な人手不足タチンボといって、楽器を持って座っていれば全然吹けなくてもお金がもらえるという今では信じられないような仕事もあったそうです。
ですから一流バンドともなると休日はおろか、寝る暇もない忙しさ。テレビ出演の多いT&Sというビッグバンドは食事の時間がないのでスタジオに出前を頼み、リハーサルをやりながら食べるのが日常でした。

TpのIさんもその日出前の丼ものを食べながらリハをこなし、そのまま本番収録に突入しました。食べ終えた丼を自分の横にうっかり置いたままだったんですが、そこはステージ中央の階段

歌手が歌いながら降りて来るあれです。

収録終了後それに気づいたIさん、どうなったか心配でしたがOKが出たんだからたまたまカメラに映らなかったのかなと思って後日放送を見たら、優雅に歩く歌手の足もとに

丼がバッチリ映っていたそうです。

ナツメロの再現映像などで放送されないかなーと思って注意して見てるんですがまだ発見できません。

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■ バンドばか話 6 : 香りたつプレイ ・・・ 信頼度C

今回はちょっと美しくない話。かなり昔の話です。

歴史的名プレイヤー(といってもN田じゃないですよ)、誰だか分かってしまうとちょっとシャレにならないのでXさんにします。そのXさんがバンドリーダーのステージで演奏中、どうもあたりがウ○コ臭いXさんは特に気になる様子で
ちゃんと拭かなかったやつがいるのか?だらしねーな~、誰なんだ?
とご機嫌が悪い。

ところが犯人Xさん本人だったそうです。本番前にトイレに行ったXさん、ズボンを脱いで用を足すわけですが、Xさんはズボンにベルトではなくサスペンダーを使用していて、不注意にもこれをぶら下げたまましゃがみ込んで爆弾を投下、は見事にサスペンダーに命中!何も知らないXさんはそのままサスペンダーを肩にかけ、上からタキシードを着てステージに上がってしまったようなんです。本人はかなりの臭さだったと思いますが、周りのメンバーは臭いに付き合わされた上に濡れ衣まで着せられては堪らないですね。

その後どうなったか興味がありますが、そこまでは業界の噂でも伝わっていません。

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■ バンドばか話 5 : 善は急げ ・・・ 信頼度A

N田天然ほどじゃないけど、俺のドジもかなりのものです。日程や時間を間違えることもしょっちゅう。例えばこんなやつです。

最初は軽めに。録音の仕事でスタジオに行くと俺が一番乗り。

「早いですね」

と言われ不思議に思っていたら、4時と14時を間違えて
2時間も早く着いてた
んでした。遅刻じゃないけど、逆に間違えてたらと思うと冷や汗が出ました。

もうちょっと派手なやつ。銀座のジャズクラブに出勤。店員さんが

「今日は何ですか?」

様子がおかしいので聞いてみたら、俺の出演は来月でした。
1ヶ月早かった
んですねー。当日の出演は知り合いのバンドだったので、顔を合わせないように慌てて帰りました。

最後は大 迫 力。奈良で大シルクロード博があるというので、夏休みを利用して友達2人と車で出かけました。
ところが駅前に着いても

カンバンやポスターなどは一切なし。

変だなと思って民宿のおばちゃんに聞くと
何とシルクロード博は来年!!
1年早く着くとはギネス級ですな。
おばちゃんは「間違いなくあんたたちが一番乗りや!」と大喜び。食事に一品サービスしてくれました。

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■ バンドばか話 4 : 弘法筆を選ばず ・・・ 信頼度B

Tbの大先輩Uさんが若かったころの話。
ビッグバンドのひな壇はけっこう狭く、特に歌番組などではセットの都合でこれじゃ演奏できないぞ!てぐらい狭いときもあります。

その日のセットもかなり狭く、スペースの余裕は ほ と ん ど な し
いつもは各自のに置いていたトロンボーンスタンドも場所の都合でそれぞれ右側に立てていました。

リードトロンボーンだったUさんが演奏の合間にリラックスしていたところ突然「曲いきます!」慌てたUさんは咄嗟に側の楽器を取ってしまいます。もちろんすぐ気がついたけどもう演奏は始まっていてどうすることもできません

困ったのは3rdの人。吹く楽器がありません。仕方なく体を伸ばして背中越しにUさんの楽器をとって途中から吹いたそうです。
映像的には大丈夫だったのかな、、多分生放送だったんでしょうね。

教訓:慣れないことは事故の元。

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■ バンドばか話 3 : 天才的天然 ・・・ 信頼度A

バストロンボーン奏者として全国的に有名なN田K。
端正なルックスの彼をかっこいー系な人だと思ってる人は多いと思います「が」ホントの彼は歴史的、天才的な天 然 ボ ケ。その威力たるやあまりのボケぶりに演奏に支障をきたす場面数知れず。こんな彼の魅力を宣伝するのも俺の大事な役目です。(本人は嫌だろうなー、、、ヒヒヒ)

エピソードは膨大な量にのぼりますが、第一回目は天然語録から評判が良いのを少しご紹介。

  • 1. 「いやあ、最近の100円ショップは安くなりましたねー」
  • 2. 「ショップ99って何でも98円の店でしょ」
  • 3. 「缶コーヒーのココアって知ってます?」

締めはこちら。

4. N田 「iPodって4000曲も入るんですよ」

俺 「ふーん、で4000曲って どのぐらいの容量なの?」

N田 「う~ん、、、4000曲って何曲ぐらいですかねー

N田ネタはほとんど無限にあるので(まだ増殖中だし)またご紹介します。

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■ バンドばか話 2 : 喧嘩の(迷)仲裁 ・・・ 信頼度A

ミュージシャンは気楽な商売のようですがストレスもプレッシャーもあり(仕事は少なく) 見た目ほど楽ではありません。
だからというわけでもないでしょうが、劇場公演の楽屋であるときメンバー同士でもめ事が ありました。

きっかけは些細なことだったんでしょうが双方引くに引けず、ちょっと険悪なムードに。
そこに居合わせたドラムのKさん、普段から声が大きく世話好きな人。ここは俺の出番やと やおら立ち上がり、二人の間に割って入って一言。

「てめえら、 静かにするんじゃねえ!」

どうも急な事に「静かにしろぃ」と「騒ぐんじゃねえ」が混ざってしまったようですね。
当の二人や周りのメンバーは一瞬カタマり、静かにするなというので仕方なくブツブツ 言ってみたり、、、そのうちゲハゲハ笑い出した。
おかげでムードは一気になごみ、結果的に仲裁は見事成功しました。

喧嘩って意外に気分のものなんですね。 国家紛争もこんな調子で解決できるといいのにねー。

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■ バンドばか話 1 : 熟慮の結果  信頼度B

テナーサックスのTさんはバイクの運転を誤り垣根に突入、左腕を骨折して しまった。翌日も演奏の仕事。Tさんは一旦家に戻り、楽器を持って接骨医に 急行。診察室で楽器を構え

この角度で固定して下さい」。

嫌がる医者をなだめ すかして治療は終了。Tさんは「この非常時に楽器のことを忘れないとは俺も なかなかのもんだな」とご満悦。

翌日の仕事は新宿コマ劇場の歌謡ショー。腕は少し痛いけど角度を合わせたギプス のおかげでステージは順調に進行。ところがある曲でフルートの持ち替えが 現れた。、、、早い話が肘の角度がちがうので口が届かないんですよ。是非実際に 真似してみて下さい。笑えます

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