バンドばか話


■ バンドばか話 10: < 右手が大パニック  >  信頼度B

トロンボーンという楽器は数種類の倍音を唇の振動で出し、更にスライドを動かして音程を変えながらメロディーを奏でます。金管の中では最もシンプルな構造で歴史も古い楽器です。ただし真鍮でできたスライドは意外にデリケートで、ちょっとでも曲がると動きが引っかかってつらいことになってしまいます。

トロンボーン奏者のUさんがステージで演奏中。目の前にはマイクスタンド。例によってスペースは最小限で、譜面台とスタンドの間からスライドを出し入れする苦しい状況。これはまあ仕事場ではよくあることです。

この日のUさんはいつもより気合いが入ったか、ちょっと力を入れてスライドを動かしたところ先のほうがスタンドにガツっと当たってしまいました。
見た目は大したことなさそうだったんですが、先端から10cmぐらいのとこに小さなへこみができていた。
これでどうなるかというと、1番と2番ポジションの間の動きががくっと重くなってまともに動かなくなります。1番ていうのはスライドがいちばん手前にきて短くなった状態。1番ポジションはいちばん多く使うところなので、それが使えないと代わりのポジションを探しながら演奏するしかなく、手順は全部変わってしまいます。

しかも本番中に突然。

Uさんは遠いポジションを往復しながら悪戦苦闘。そう、指先でちょいちょいと動かせば済む手順も1番なしでははるか遠くに移動しなきゃいけないのですごく派手な動きになってしまいます。ちょっとボクシングの練習をしてるみたいな感じ。隣にいたトランペットの人はそれを見て、笑いをこらえるので必死だったそうです。

、、、う~ん、このおかしさ(ツラさ)を文章にするのは難しいなー。今回はスライドを大切にという教訓とともに、トロンボーン吹きの皆さんだけ笑って下さい。


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