バンドばか話


■ バンドばか話 11: < ラッパソロは綱渡り  >  信頼度A

えりも岬って歌ありますよね。大御所女性歌手SCさんじゃなく、最近替え歌問題で話題の男性、MSさんのほう。あの曲のイントロは、Trpが最初1人だけで「ド~ぉ~♪」と伸ばしてるところにドラムが「タットンタカトン」とフィルイン、そのあと普通にラッパのメロで進んでいくというもの。五線の中のドの音は初心者でもたいてい出せる楽な音域なので、どソロといっても本来それほど難しくはありません。

ある日MSさんのコンサートで1stTpのSさんがイントロの構えに入りました。このときSさんはなぜかいつもより少し気合いが入り過ぎていたようです。バンマスが小声で「サン、シ!」とカウントをとるとすかさずラッパを吹き鳴らしましたが、その音が3度上のミ

知らない人のため解説すると、金管楽器は倍音といって、同じ指使い、ポジションで上下たくさんの音が出ます。そのうちどれを出すかというのははっきり言って訓練と「カン」Sさん1つ上の倍音を出してしまったわけです。

これがリズム隊や他の奏者も音を出してるときなら音を1つ外しただけのことなんですが、この曲の場合最初に音を出してるのは彼一人だけ。緊張していたSさんは音を外したことに気づかず他のメンバーが音を出すのを待ちます。ところがみんなは当然正しい音程で弾き始めるからさあ大変。外していた本人は予想外のことに、まるで突然演歌がになっちゃったような気分で大パニックイントロは見事にボロボロになってしまいました。

これはかなり不運なケースですが、金管楽器というのはかくも気分の影響が出やすい楽器なんです。アガっていても疲れていても確実に音を出すのはけっこう大変。これからはラッパのかっこいいソロを聞いたら、今までより多めに拍手してあげて下さい。あ、トロンボーンにもね。


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