バンドばか話


■ バンドばか話 23: < 過酷なミュートプレイ > 信頼度A

昨年いっぱいで役目を終えた新宿コマ劇場は50年前に建てられたホールですが、当時としては驚異的なハイテクのステージ装置を備えていました。現代のホールでもあそこまで複雑なステージ装置を備えたところはめったにありません。通称「盆」と呼ばれる回り舞台は内、中、外の三重構造になっていて、それぞれ独立して回転、上下させることができます。これに歌手やダンサーがのって華麗なショーを繰り広げていたわけです。

だいぶ前ですが大御所女性歌手Yさんの定期公演に出演。歌謡ショーの前半は歌とダンスのコーナー、後半はバンドが登場して演歌をしっとり聞かせるコーナー。バンドは回り舞台の裏側にスタンバイ、ダンスショーが終わり盆が回り始めるとイントロを演奏しながらステージ正面に登場します。

安全のためバンドはかなり早めにに乗りますが、表舞台は本番中なので音が出せません。

本番直前に少しは音を出しておかないと不安です。

TpのIさんサイレントブラスを持ってきて練習しながら譜面をチェックしていました。

そしていよいよ本番スタート。

にぎやかにイントロが鳴り響いて、、いるんですがちょっと様子がおかしい。

メロディーが聞こえません。

Iさんはサイレントブラスを外し忘れていたんです。途中からでも外せば良さそうですが慌てたIさんは
そのまま全力で演奏続行。といっても隣の俺ぐらいにしか聞こえません。

顔を真っ赤にほてらせて 熱 演 のIさんを横目で見ながら笑わずにTbを吹くのは地獄の苦しみでした。


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