バンドばか話


■ バンドばか話 31: < 高山病 >信頼度A

知り合いのマネージャーから仕事の依頼がありました。銀座のとあるショールームで月に一度ミニコンサートがあるんだけど、出し物がだんだんマンネリになってきたので何か変わった物はないかとのこと。
変わったものと言ってもアバンギャルドな方向というわけにはいきません。聞きやすい音楽で変わった形態が欲しい。そこでTb5重奏はどうかとふったら「それ良いねー」で即決定。

俺はTbアンサンブルの譜面を持ってないので音大出の後輩達を仕事に誘い、譜面はそいつらに調達させました。3回ほどリハーサルをやって準備オッケー。

ギャラはひと山10万円。俺がバンマス料を1割貰ってから5等分すると一人18,000円ずつ。「安くてごめんね」なんて言いながら本番に突入すると、リハのとき問題なかったメンバー達の演奏はボロボロ。メチャクチャに吹くどころではなく、緊張のあまりまともに音も出ないありさまです。お客や主催者の冷たい視線から逃げるように会場を撤収し、怒りの収まらない俺は奴らを引き連れ、近くのビアホールで打ち上げならぬ「打ち下ろし」。

何であんなにボロボロだったんだと問い詰める
「普段アルプス仕事しかしてないもんで」
と訳の分からない答え。

「何だ、そのアルプス仕事ってのは!」
「あの`、、、アルプスで思い浮かぶ歌を歌ってみて下さい」

ぬぁに~、怒り狂った俺に歌を歌えだとぉ~?でも話が見えないんじゃしょうがないな。えーと、アルプスといえば、、、「♪ア・ル・プ・ス・一万尺こ・や・り・の・う~えに、、、」あれ?いちまんじゃく、一万弱?よく聞いてみると、学校の鑑賞会などの仕事はギャラが安くて7,8千円のことが多く、それをシャレでアルプス仕事というみたいなんです。

「ちょっと待て、じゃああのギャラが高すぎてビビったってことなのか?」
「、、そういうことになりますね」

「じ、じゃあ俺がギャラをあらかたピンハネしちゃって7,8千円だけ払えばちゃんと演奏できたっていうのか?」

「、、すいません、、」
情けない、あ"~ナサケナイ!

そのマネージャーからはその後全く仕事が来なくなりましたとさ。



  1. <<前話へ
  2. 次話へ>>
  3. バンドばか話 Top
  4. サイトのトップへ