内田光昭 公開秘密基地(なんでやねん)

Jazz & Trombone 猫の巻


■ 猫の巻乃12:初見演奏のコツ-3

久しぶりに初見の話。前回まではとにかくたくさん読むべし的な基礎編でしたが、今回はもうちょっとレベルアップです。

プロミュージシャンなど譜面に慣れたプレイヤーは、初見といっても無表情に平べったく演奏することはまずなくて、最初からある程度のノリやアクセントをつけて演奏します。これができると「なかなかやるな!」という感じですよね。

音の高さ、長さ、タイミングを読むのはもちろんですが、譜面に慣れた人はフレーズ単位のカタチも見ています。譜面を見ながら何度も演奏した経験が記憶として蓄積されていて、よくあるフレーズが出てくると「あーあれね」と判断して、最適なアーティキュレーションをつけることができます。プロになると「あれ」のストックもかなりの数になり、大体のフレーズは「あー」で解釈できるわけです。

最近テレビで見たんですが、人は書かれた文章を読むとき、頭の中で文字を一旦話し言葉として音声化し、複雑な意味や前後の流れを理解するんだそうです。
これに近いことが譜面を演奏するときにも頭の中で起きている気がします。つまり譜面をみたとき単なる情報としてではなく、フレーズを音楽としてイメージしながら演奏している。
これはかなり難しいことに思えるかも知れませんがそれほどでもなく、要は慣れの問題です。しかもフレーズ単位でイメージして読む習慣は初見技術自体の向上にもつながりますし、演奏の精度も上がります。

イメージ作りの練習には比較的シンプルで抑揚がはっきりついた譜面、例えばカウントベイシーなどの譜面で練習すると感じがつかみやすいと思います。結果が出るまでちょっと時間がかかるかも知れませんが、メロディックな演奏、全体の流れをつかむ訓練にもなりますので是非挑戦して下さい。

ちなみにバンドばか話でご紹介したBar.SaxのIさん(#8ベテランの実力)の場合もまさにこれで、流れを読んでプレイしているから(個々の音符が完全に読めてなくても)全体として自然な演奏ができるというわけです。

もちろん二日酔いで演奏する練習は全然必要ありません(俺はときどき練習してしまいます)。
演奏前日のお酒は控えめに。

 

 

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