内田光昭 公開秘密基地(なんでやねん)

Jazz & Trombone 猫の巻


■ 猫の巻乃13:遅いときははやく

トロンボーンの特徴は何といってもスライドで音程を変えることです。
管体に空気の切れ目がなく直線部分の長い構造は、独特な音色とスライドならではのコントロール、ビブラートやグリッサンドなどトロンボーンならではの表現を可能にしてくれます。

ただし細かい音符のフレーズが苦手なのはちょっと弱点ですね。またスライドの動きで音が流れてしまいがちなのも困ったもんです。
速い動きや遠いポジションの移動はとりあえずしょうがないとして、音の流れにはちょっとした盲点があるよという話をします。

それは遅いテンポのときや、2分音符など長い音符を演奏するとき。人はゆっくりしたメロディーを演奏するとき体の動きも無意識にゆっくりになってしまうんです。またロマンチックなメロディーを滑らかに演奏したいとき、音量が小さいときも同様に動きが緩慢になってしまう。これは人間の生理として自然なことなんだけど、音楽表現上はちょっとまずい現象です。そりゃそうですよね、バラードのおいしいソロで「プワ~プワプワプワ~♪」じゃカッコわるいですから。

これを克服するには練習が必要なのはもちろんですが、常にに注意することでかなり改善できます。スライドの流れる音は遅いときよりむしろ速いテンポのときのほうが目立たないんです。遅いテンポ、長い音符のときほどスライドは速く動かす。これを合い言葉にしてカッコいいバラードに挑戦しましょう。合い言葉を思い浮かべるだけでかなり違います。

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