課題曲 T 吹奏楽のための「風之舞(作曲:福田洋介)
    Dancing in the - KAZE-NO-MAI -
作曲者が述べていますが「日本語の曲を書きたい」との希望で作られた曲なのだそうです。全体は日本古来の5音階の一部と通常の短音階とがうまくミックスして使われながらの3部構成を呈しています。
冒頭すぐ登場する主題。仮に舞曲主題Tとします。
短調の音階で書かれた主題です。旋律の下ではD音とG音のベース音が加えられしっかりとした調整感を醸し出します。
                             (主調→下属調の進行)
その後の4小節でこの旋律は変化を見せます。
前半(舞曲主題T)では音階的進行でしたが、ここでは全音ー短3度の進行による印象深さが耳につきます。この進行は日本古来の陽旋法(田舎節)と類似しています。(陽旋法も短3度と長3度音程の集積)
さらにここでは前半に比べてバックの和声も変化を与えられています。
上記譜例の様に3度和音と4度集積の和音が交互に付けられています。(この手法は久石 譲作曲家久石 譲氏のアニメの映画音楽でちょくちょく耳にするスタイルです)
この後を見てみても通常の短音階の部分と5音階を用いた部分でハーモニーの個性が異なるので注意が要ります。

[A]で歌謡的な主題が登場します。(これを歌主題Tと名付けます)
歌謡的な部分には厚めの3度和声が伴っています。ここで目に付くのは順次進行以外の跳躍的な部分での5度と4度の進行です。(メロディーの冒頭、3小節目、4小節目)演奏の際には和声の進行のテンションに従って転調前の最後の2小節でクレッシェンド気味に盛り上げるべきところでしょう。

[B]ではまたぞろ舞曲的な主題が登場。(舞曲主題Uとします)前後半でリズムも和声も対照的にできています。後半のレガート部分でより多くの息が要ります。リズムセクションは前後半のリズムの違いをしっかり把握した演奏が望まれます。

[D]の2小節前でニ短調に転調し、舞曲主題Tの動機によるブリッジの後、[D]からは木管のオブリガートを伴った舞曲主題Tが8小節間に渡って再現されます。冒頭と異なりより明るい元気さが感じられるカラーを感じます。
[E]でイ短調に移り舞曲主題Uの変奏が全奏で登場します。ここでも前回の登場に比べ力強さが前面にアピールされています。しかしこの部分はワンフレーズですぐに減衰し、舞曲主題Uの頭の動機によるブリッジを経た後に、[F]でテンポをModerato con tenerezza(愛を込めて)に落として歌主題Tがイ短調で再登場。こちらでの方がオーケストレーションがよりシンプルな分透明感のある美しさが目立ちます。開始は3度和声で厚めの響きで開始しますが、5〜6小節目で4度5度の集積した和声に変わります。この瞬間の色彩の変化に注意したいものです。
[G]に入る直前、ヘ長調の7の和音が印象的に響く上にピッコロ・ソロが天上で鳴るかのように響き渡ります。
重要なのは最後にグロッケンが奏でる4度5度の和音です。実に印象的な瞬間です。

[G]からはModerato con motoですのである程度の推進力を感じるエネルギーが欲しい部分です。基本的にはニ短調ですが、5度音程で動くハーモニーがあるのでそこを印象的に演奏したいものです。

[H]からはそれまでとは対照的に3和音の上で旋律が動きます。和声を担当するトロンボーン・ユーフォニアムセクションのピッチ感が求められます。

まとめ
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