腹臥位療法(ふくがいりょうほう)・うつぶせ寝とは?

高齢化が進み、脳卒中やパーキン病、慢性疾患にかかったあとに、ベッド上で寝たきりになるお年寄りが増えていますが、 そのような寝たきり状態にならないために、お腹を下にして、うつぶせの状態をとることによって、 筋肉や内臓の働きが弱ったり、意欲が衰えたりする廃用症候群の症状や脳機能、排泄機能、呼吸器機能の改善に効果が出る療法です。 腹臥位療法は、寝たきりを予防して、自宅や施設、病院などで出来る簡単なリハビリの一つです。
用語の定義
・腹臥位(うつ伏せ)=腹ばいになること
・腹臥位療法=腹臥位になる治療のこと
・うつぶせ寝=腹臥位で睡眠をとること







腹臥位療法(ふくがいりょうほう)・うつぶせ寝の歴史

 腹臥位療法が始まったのは約20年前。福岡県大牟田市の米の山病院老年科の医師故・中山壽比古氏が、 寝たきりやその恐れがある高齢者の膝・股関節の拘縮の改善を目的として考案されました。 また、有働尚子医師(VITA臨床生命学研究所所長)によって1998年に提唱されたとも言われ、 以後、川嶋みどり氏(日本赤十字看護大学教授)、日比野重明氏(聖路加国際病院院長)らが、「腹臥位療法推進研究会」を結成しました。  1995年には、故・並河正晃氏(同病院老年内科・泌尿器科医師)が、 3年間の厚生省長寿科学総合研究事業として調査・研究を実施しました。 そこで、「低ADLの高齢者の寝たきり廃用症候群を予防軽減・改善する治療法」 として確立されている科学的根拠に基づく治療法なのです。

 


腹臥位療法(ふくがいりょうほう)・うつぶせ寝の効果

 特に効果的なのは、廃用症候群で、寝たきりの方にも効果的です。

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腹臥位・うつぶせの方法

 その方の状態や疾患などにより、痛みや違和感のない状態で内臓を下側に持ってくる  ような姿勢をとると効果が期待できます。  ・腹側を完全に下にして寝る姿勢(イラスト)  ・横向きに寝た状態で上半身をひねる(イラスト)   四肢の拘縮や麻痺のある人におすすめ。また、腹臥位療法の導入時にもおすすめ。  ・座った姿勢で上半身を前方に倒す(イラスト)    股関節の拘縮が強い人におすすめ。また、誤嚥の改善には食前に行うと良い。




腹臥位療法(ふくがいりょうほう)・うつぶせ寝は、どんな人におすすめ?

 寝たきりになる可能性のある方や、寝たきりで介護を必要とする方、全てが対象となります。 たとえば・・・  ・パーキンソン病にかかって、寝たきりになっている方 ・脳梗塞(のうこうそく)や脳出血などの、脳血管障害にかかって寝たきりの方  ・寝たきりになりそうな方  ・高齢になるにつれ、さまざまな慢性疾患の影響や老化とともに   手足の機能が衰えて、食事、排泄、歩行、コミュニケーションなど日常の   生活動作が困難になった方々・・・が対象となります。




腹臥位療法(ふくがいりょうほう)・うつぶせ寝で気をつけることは? 


@ 食直後を避け、5〜10分程度から開始し、30分から60分と徐々に延長して下さい。
A 長い間寝たきりになっていた方は、骨がもろくなって折れやすくなっていますので  (骨粗鬆症)骨折に十分な注意が必要です。
B頭を自分で持ち上げられない方は、窒息の危険がありますので、意志表示のできない方に行う場合は、施行中必ずそばに付き添って見守って下さい。
C 事前に主治医や(開業医にかかられている場合は開業医の先生)訪問の看護師さんにご相談ください。 (シルバー新報より)




事例

 

6割を超える方がおむつ不要になりました!

腹臥位療法研究会によると、ある施設で60歳以上の患者約80人に対して  腹臥位療法を実施したところ、実施前は全員がおむつを使用していましたが、  実施後は60%以上がトイレやポータブルトイレでの排泄が可能になりました。  中には、2年以上も寝たきりであった方が、ポータブルトイレでの排泄ができるように  なったという驚きの成果も報告されています。   効果が出始めるのは、2〜4週間ごろで、少なくとも2〜3ヶ月は必要になりますが  本人にも、介護する側にとっても大きな喜びにつながっています。  

症例1 (89歳男性、パーキンソン病)

 腹臥位療法導入時は、パーキンソン特有の無表情状態が続いていました。 腹臥位を1日2回、30分を1週間、2週目から1日2回を60分間といったペースで増やしていきました。  すると、3週間目には、ADLが全般的に改善。発語が増え笑顔が見られるようになり、 日常会話はほとんど問題なく理解できるようになりました。食事も一部介助から自立し、 また尿失禁状態から、介助にて排尿ができるほどに改善。移動も見守りしながらできるようになり、見違えるような状態になりました。 「シルバー新報 2007.11.16 803号より」

症例2 (72歳男性、無意欲状態)

 食事以外は臥床して過ごし、排尿は尿器で寝たまま行っている状態で、 ボーっと過ごしていることがほとんどというケースでした。  腹臥位療法を、車いす座位で30分を1日2回から開始。 始めは発語もほとんど見られませんでしたが、2週間後より発語が増え、 3週間後には笑顔が見られるようになりました。  また、2週間後より座位にてテレビを見るなど起きている時間が増え、 ベッドから車いすの移乗も見守りで可能となり、サークル歩行できるようになりました。 尿失禁が頻回にありましたが、日中5回から1回程度まで減少しました。

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