日本バプテスト連盟  姪浜キリスト教会

2016年4月10日の礼拝メッセージから

子どものようでいいんだ

マタイ18章1−5節


 本日の箇所でイエス様は弟子たちに「子どものようになりなさい」と言われました。この言葉を読む時、ふと思うことがあります。それは、自分がこれまで周りの人から聞いてきた言葉はどんなものだったろうかということです。私がこれまでの歩みで、周りから聞いてきた言葉というのは、「子どものようになりなさい」ではなくて、むしろ、「大人になりなさい」という言葉でした。しんどいことがあったり、納得いかないことがあったり、嫌なことがあったり、苦手なことがあったりした時に、「鈴木くん、大人になりなさい」と言われてきたように思うのです。そして、そう言われながら、私自身、「そうだな、大人にならなきゃいけないな」と自分を戒めてきました。それはきっと私だけではないのだと思います。「大人のように分別をもって、しっかりしなさい」と言われながら、その言葉に応えようと必死になって気を張って、歩んできたという方はたくさんおられるのではないでしょうか。その一方、そういうことに疲れてしまったという人もおられるかも知れません。そんなふうに、「大人になりなさい」という言葉が溢れている私たちの現実を思う時、イエス様が本日の箇所で語られた「子どものようになりなさい」とのメッセージが特別な響きをもって迫ってきます。そして、このメッセージに慰められ、癒されるのではないでしょうか。この「子どものようになりなさい」という呼びかけは、福音のメッセージなのです。
 実際、弟子たちにとって、本日のメッセージはそのようなものだったのだと思います。イエス様から十字架の預言を聞き、「これからどうなってしまうんだろう?」と漠然とした不安や恐れを抱えながら過ごしていた弟子たちがいました。そんな中で、弟子たちは、立派にならなくちゃ、偉くならなくちゃ、そんなふうに気を張っていたのだと思います。そんな彼らの思いが、本日の箇所でイエス様に対して、「いったいだれが、天の国でいちばん偉いのでしょうか」(30:9)と尋ねてきた姿に現れているのかも知れません。しかし、イエス様はそんな弟子たちに対して「子どものようになりなさい」と言われました。弱さや未熟さを抱えた子どものようであっていい・・・。自分の弱さも未熟さも、そのまま親のもとに持っていく子どものように、あなたたちは神様のもとに向かっていいんだ…。そんなあなたたちを、神様は受け入れ、この子どものようにきちっと立たせてくださるんだ…。イエス様は弟子たちにそのようにおっしゃっているのではないでしょうか。それはまさしく弟子たちにとって、神様の憐れみと慰めに満ちた福音のメッセージだったのだと思います。
この福音のメッセージは、私たち一人一人にも呼びかけられています。不安や恐れを抱えながら、あれこれと思い悩み、必死になって「大人にならなきゃ」と気張っている私たちがいるとするなら、そんな私たちに対して、あなたたちは主の前にあって子どものようになれるし、そうであっていいんだよと呼びかけてくださるのです。主は、そんな私たちを丸ごと受け入れてくださいます。そして、私たち一人一人を主の御前にしっかりと立たせてくださるのです。

                         (鈴木牧人)
 
                

 

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