日本バプテスト連盟  姪浜キリスト教会

2016年10月16日の礼拝メッセージから

それが一番大事

マタイ22章34〜40節


 あるところに一人のユダヤ人ではない人がいました。この人は、大人になってから、ユダヤの人々の信仰の仲間入りをすることになりました。彼はユダヤ教の信仰を受けいれた後に、ユダヤ教の勉強を始めたのですが、ある時、当時よく知られた律法の先生を尋ねて、こんな質問をしたというのです。「先生、私は今、片足を上げて立ちます。片足上げて立っている間に戒めを全部語ってくださいませんか。」片足上げて立っている間に戒めを語ってください…。先生に教えを聞く態度とは思えませんが、この人はそのようにお願いしたのでした。それだけ切実な思いだったのだと思います。というのは、当時、ユダヤ教の教えというのは、しなければならないという戒めが248、やってはいけないという禁止の命令が365あったと言われています。そのようにしなければならないこともしてはならないことも膨大にあったのです。大人になってから、613の戒めを全て覚え、しかもその戒めを実生活で実行していくことは、本当に至難の業でした。ですから、この人は613もの戒めのうち、せめて片足立っている時間で言える戒めなら、覚えられると思って、こんな質問をしたのでした。
 私は、この人の話を聞いた時、それが他人事に思えませんでした。この人は、大人になって、ユダヤ教を信じ、その戒めに従って生きたいと思いましたが、実際、ユダヤ教徒として生きることは大変で、たくさんのことを覚えたり、考えたり、配慮しなければなりませんでした。しかし、色々なことをあれこれと言われても、正直、難しくて分からないと思ったのです。私たちも似たような思いにさせられることがあるのではないでしょうか。今の社会は本当に複雑です。この社会できちんとやっていくためには、色々なことを覚えたり、配慮したり、考えたりしなくてはなりません。しかし、考えなければならないことが、色々とありすぎて、自分が何をしなければならないのか、本当に、何が大事なことなのか、分からなくなってしまうことがあるのではないかと思うのです。
そんな私たちに、本日のイエス様は語りかけているのではないかと思います。イエス様は本日の箇所で「律法全体と預言者は、この二つの掟に基づいている」(22:40)と言われました。その一つは、『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』という戒めでした。そして、もう一つの戒めが『隣人を自分のように愛しなさい。』という戒めでした。神様を愛していく、そうやって、神様につながっていく…。いわば「縦方向の愛」と、隣人を愛し、互いに結ばれていく…。そのような「横方向の愛」を示して、それが一番大事なんだとおっしゃったのです。よく私たちは、この縦と横の二つの関係を指して、十字架の関係と呼びます。神様は、何より私たち一人一人をこの十字架の愛の関係に生きるよう、招かれているんだとおっしゃったのです。このイエス様のメッセージは、私の中でいつも反芻させられているメッセージです。慌ただしい日々の中で、自分が今していることが本当に神様の御心に適っているだろうかと考えさせられることがあります。そんな中、私なりに一つの大切な指針として思い浮かべるのは、本日のイエス様のメッセージなのです。

                         (鈴木牧人)
 
                

 

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