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自転車事故の裁判例と裁判上の和解・示談

事故・事件の対処・対応計画書作成

  1. はじめに:自転車事故判例における要注意点
  2. 裁判上の和解・示談:裁判上・裁判外の和解書・示談書例
  3. 自転車対歩行者の事故の高額賠償裁判例
  4. 高校生による自転車事故の高額賠償例
  5. 自転車同士の事故の高額賠償裁判例
  6. 中学生加害者の親の指導・監督責任を認めた判例
  7. 自転車同士の事故:被害者の過失の主張・立証に失敗した例
  8. 弁護士費用の請求は難しい

はじめに:自転車事故判例における要注意点

自転車事故の判例は、事故態様と過失割合の情報だけではほとんど意味を成しません。
必ず各過失要素とその過失判断、その他の状況・条件等を確認してください。

仮にあなたが相手方保険会社・弁護士から、提示過失割合の根拠として「自転車事故判例の過失割合と事故態様(発生状況図)のみ」しか示されなかった場合には、過失を誤魔化されている可能性があります。
これについては、多数の被害相談・報告がありますので注意が必要です。

悪質な具体的事例(自転車同士・自転車対歩行者の二例)とその対処法

● 被害者の怪我が胡散臭い・嘘くさい場合に加害者がなすべき確認

● 歩行者と自転車の接触事故の予防・回避に役立つ身体操作のコツ

下の動画のように肩甲骨を浮かし、立てる等できるようになると身体の自由度が増して楽になるのに加え、血行が改善して事故による怪我・疲労の回復にも効果大です(健康回復の実際)。
また、歩行者と自転車の接触事故の際に、肩甲骨操作の活用で身体を操作して衝撃を逃がしたり、スムーズに回避動作を行えるようになります。
親子で学ぶ自転車事故問題解決教室においても簡単な身体操作の指導を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

ちなみに、二番目の動画の左肩(肩甲骨下角を突き出す・ゼロポジション)と右肩(肩甲骨全体をはがす)の違いは支点・意識によってコントロールできます。

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裁判上の和解・示談:裁判上・裁判外の和解書・示談書例

交通事故においては、和解・示談で解決する割合は9割以上と圧倒的に高くなります。
仮に訴訟に至った場合でも、裁判所は判決を出すまでは何度も和解を提案しますので、結局は裁判上の和解が成立することがほとんどです。

和解での解決自体はよいのですが、問題は「過失割合等に関する裁判所の認定・判断が明確に残らない」点にあります。
裁判長が和解を提案し、和解室で各当事者と個別に話をするなどして和解しようとなった後に、裁判長の提案する和解条項の文言にいろいろ注文をつけるようなことは、余程の事がない限りはしません。
そのため、和解書の内容は必要最低限のものになることがほとんどです。

もともと裁判は当事者間の紛争解決手段なので仕方ないとも言えますが、調停・訴訟においてこちらの主張通りの過失割合等に基づいて和解が成立しても、それを他の者が活かしづらいのが難点です。

事故・事件の当事者に
「こういう過失割合で問題が解決した例があります。」
と説明はできても、その証拠を提示することは難しいのが現状で、都合の悪いものは意に介さない相手方・保険会社・弁護士だと、結局、裁判で同じような争いをして和解するといったことが繰り返されます。

ここでちょっと裁判上の和解における調書等の実物に目を通してみましょう。
また、裁判途中で相手が白旗を揚げ、裁判外で示談が成立した際の和解書も参考までに見ておきましょう。

ご覧いただいたように、訴訟・調停等の裁判上の和解においては、当事者の経験したことや裁判長の判断等の情報というものは、法廷や和解室では録音もできませんから、当事者だけが知っている、当事者の経験値にしかならない、という勿体ない事になっている訳です。

なお、和解書・示談書に詳細を明示しないという手法は、裁判外において重宝される場面もあります。

例えば、人に知られたくない事件・事故内容であったり、情報流出等危惧される場合などです。
通常は和解書・示談書を二通作成して各当事者が保管しますが、それを家族に見られたくない場合や会社の監査等によって他人に知られるのを阻止したい場合もある訳です。

そのため、本来は事件・事故内容の詳細を明示して後の問題発生を予防するのが望ましいのですが、シンプルな和解書・示談書の作成と事件記録等として詳細に関する報告書等の作成・保存までを依頼する方がいるのです。

ついでなので、裁判外で成立したそういう場面のシンプルな和解書も参考までに見ておきましょう。

専門家の利用の仕方はいろいろありますので、必要に応じて依頼等検討するとよいでしょう。

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自転車対歩行者の事故の高額賠償裁判例

● 平成25年7月4日神戸地裁判決

小学五年生の子供がマウンテンバイクで坂道を時速20~30キロで爆走し、散歩中の女性女性(67歳)に正面衝突して跳ね飛ばした事例。
女性は頭の骨を折るなどして病院に搬送されたが意識不明の状態に陥り、その家族と保険会社が子供の母親を相手に損害賠償請求訴訟を提起。

母親に9,520万円の賠償命令。

裁判所は「坂道を高速で下っていたことと、その状態での前方不注視」を問題視して「自転車運転に関する十分な指導や注意をしていなかった」として母親の「指導や注意をしていた」という主張を退けて監督義務責任を認めたものです。

● 平成19年7月10日大阪地裁判決

男子中学生(15歳)が無灯火で幅2.5mの歩道上を車道寄りではなく車道から1.8mの建物側を走行中、交差点の信号機が青のうちに早く渡ろうと速度を上げたところ、男性会社員(62才)に正面衝突して転倒させ死亡させた事例。
男性会社員の過失は0。

日没後ではあったが街灯等で現場はやや明るい状態だったため、男子中学生は無灯火でした。
また、男子中学生は視力0.2程度の視力(裸眼)で普段は眼鏡をかけていましたが、事故当時はかけていませんでした。
親権者の監督責任も問われたが、男子中学生が普段から危険な運転をしていた等の事故歴がなく、親の責任は認められませんでした。
被害者が保険に加入していたため、保険金3,000万円を支払った損保会社が男子中学生に求償して訴訟を提起したものです。

取扱案件において中学生の親の責任を認めさせた実例があります。
住宅街から歩道に進出した男性が歩道走行中の視力0.1程度(裸眼)の女子中学生(14歳)とぶつかって左腕橈骨骨折をした事例で、その親が本判例を持ち出して責任逃れをしました。
しかし、被害男性が中学生の自転車運転の過失を親の責任だと「ある点を明確にして」異議を申し立て、親と徹底的に争い、調停において調停員の説得で親がその責任を認めて和解に至りました。
ご本人による示談交渉によって中学生・高校生の親が子の低視力で責任を認めた例が他に二件あります。

中学生・高校生等の加害者の低視力による損害賠償請求実例におけるサンプル文例

● 平成17年11月25日横浜地裁判決

54歳の看護師女性が市道を歩行中、無灯火の上、携帯電話を操作していた16歳女子高生に追突され、被害者女性は手足に痺れが残って歩行困難になり職も失った事例。

裁判所は、加害者女性(判決時19歳)に約5,000万円の支払いを命じました。
なお、ここでも加害者の父親の責任は否定されました。

● 平成17年3月22日大阪地裁判決

53歳女性が同僚に声を掛けられてビル敷地の植込みの間から歩道上に出た際に、業務中の男性の自転車と衝突して転倒し、腰椎を骨折、後遺障害併合10級及び腰部脊柱変形の障害を残した事例。

損害として、約808万円を認容。

被害者の女性は、植込みの間から出る際に左右の安全確認をしなかったものとされましたが、特に走ることもなく、公開空地という歩道上で衝突したため、歩行者に過失相殺を認めず、自転車が100%悪いと判断されました。
なお、ここで問題となっている植込みは高さが低く、自転車側に前方不注視がなければ歩行者に気付かないといったことはないとされたための過失判断です。

この判例をもう少しだけ詳しく

● 平成15年9月30日東京地裁判決

男性が自転車でペットボトル片手に坂道をスピードを落とさずに下って交差点に進入、横断歩道を横断中の買い物帰りの主婦(38才)に衝突して転倒させた事例。
主婦は三日後に脳挫傷により死亡した。

訴訟において加害者側が「歩行者を避けようとしたスペースに主婦が引き返したことから歩行者にも過失がある。」などと加害者の危険行為を棚上げした主張を展開しましたが、裁判所は、「横断歩道を歩行中の歩行者は絶対的に近い保護がされるべき」とし、「主婦が両手に買い物袋を持っていて咄嗟に衝突を回避しづらい事情があったとしても、過失相殺すべき要素はなく歩行者に落ち度はない。」として加害者の過失100%と認定し約6,700万円の賠償を命じました。

● 平成15年2月20日大阪地裁判決

会社員男性の運転する自転車が交差点を横断後に歩道上の人混みに高速度で突っ込み、美容室経営兼主婦(61歳)に衝突して転倒させた事例。
女性は右大腿骨頸部内側を骨折し、後遺障害等級8級7号。

危険性の高い走行とされ無謀運転の自転車運転者の過失は100%。
損害として、約2,108万円を認容しました。
また、会社員が取引先に書類を届ける途中に起こした事故であったので、雇い主である会社の使用者責任が認められて賠償責任を負いました。

従業員が自転車を使用する会社にも、それなりの対策や従業員の自転車運転教育が必要なのでは、と思わせる事例です。

● 平成14年9月27日名古屋地裁判決

白線内を歩行中の老女が電柱を避けて車道に出た際、無灯火で対向進行してきた14歳中学生の自転車と衝突したケースで、老女が頭部外傷による後遺障害2級の障害を残した事例。

老女は、中学生の両親の監督責任を追及しましたが、裁判所は加害中学生の責任を肯定するも、中学生に事故歴などなく普段も問題行動などなかったことなどから両親の監督責任を否定しました。
この判決で老女の過失割合15%と既往症の減額20%が適用されましたが、中学生の損害賠償金は合計 約3,120万円になりました。

● 平成10年10月16日大阪地裁判決

68歳老女が歩道上で信号待ちをしていたところ、17歳未成年の自転車が前方不注視で衝突し、老女が転倒して大腿骨を骨折、後遺障害8級の障害を残した事例。

老女の損害として、約1,800万円を認容。
このうち、逸失利益は就労可能年数を約7年として中間利息を控除、約700万円。

なお、裁判所は未成年者の両親の責任を否定しました。

● 平8年10月22日大阪地裁判決

午後7時頃、18段変速のマウンテンバイクを運転する未成年者が、河川敷の幅員3mの自転車・歩行者専用道路を時速20~25kmで走行中にギア操作のため右ハンドルを注視したまま13.6mも進行し、対向進行してきた女子短期大学非常勤講師の男性(71歳)にブレーキを掛ける間もなく衝突し、転倒させた事例。

男性は急性硬膜下血腫、脳挫傷、頭蓋骨骨折等により後遺障害1級。
正面衝突ではあったが、マウンテンバイクにライトがない上、歩行者も歩く道路で前方不注視が過ぎたため、未成年者の過失は85%とされました。
対向している以上歩行者にも回避義務はあったが、年齢等も考慮され、また本件のような河川敷の自転車・歩行者専用道路は自転車のサイクリング用として利用されているという実情があったために、調整がなされて15%の過失に落ち着きました。

損害として、約2,600万円を認容、既払額と合わせて約4,080万円。

なお、未成年者の父親が事故後に被害者との間で損害賠償債務につき連帯保証する旨の合意書を交わしていたため、親にも損害賠償義務が認められました。

自転車事故の損害賠償額が高額なものとなる以上、10%の過失の加算・減算で大変な負担の増減が生じることが分かるでしょう。
自転車事故の適正な過失割合の算定は損害賠償において重要なポイントとなっています。

参考:自転車事故の過失割合相手方、加害者・被害者・弁護士の嘘への対処法

あなたが望んでいなくても、相手の対応によっては裁判も必要となるかもしれません。
そのようなリスクがある以上、最悪の場合を想定して自転車事故の損害賠償請求訴訟・裁判で主張・立証すべき要件事実や具体的内容・方法等についても確認しておきましょう。

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高校生による自転車事故の高額賠償例

高校生による自転車事故が増加し、それに伴う高額賠償事例も増えてきています。

以下に事例を簡単に列挙しておきますので、
「自転車事故でもこんなに高額の賠償金を払うことになるんだ。気をつけなくちゃ。」
と、しっかりと認識しておいて下さい。

  • 通学中、歩行者に衝突。被害者には、脊髄損傷による麻痺の後遺障害が残り、賠償金額6,008万円
  • 帰宅途中、街灯のない道で歩行者に衝突し死亡させた。賠償金額3,912万円
  • 道路右側を走行中、対向進行してきた主婦の自転車と接触して転倒させ、死亡させた。賠償金額2,650万円
  • 帰宅途中、無灯火で歩行者に気付かず衝突、死亡させた。賠償金額1,169万円
  • 帰宅途中、植木の剪定をしていた作業者の脚立に接触、転倒させ、死亡させた。賠償金額685万円

まだまだありますが割愛します。
ここでは、自転車だからと軽く考えないようにすることを肝に銘じておいて下さい。

参考:自転車対歩行者の事故

高校生による自転車事故で、被害者にある確認をお願いした結果、親の責任を認めさせるに至った事例が累計で7件あります。
「たったそれだけなのか。」と思われた方がいらっしゃるでしょうが、この確認事項に当てはまった場合、現在まで100%親の責任が認められています。

相手方の「人が良かった」という訳ではありません。相手は保険会社であったり、弁護士であったりいろいろです。
ちなみに、事故態様も正面衝突、追突、出会い頭等バラバラです。

書面作成プラン : 高校生の親の責任編

自転車事故の高額賠償裁判例から、もし過失割合が10%でも変われば、数十~数百万の差が生じることがご理解いただけると思います。
相手方保険会社や弁護士があなたの事故態様と類似した判例を根拠に過失割合を提示してきても、それが絶対ではありません。
最近の損害保険会社は、仮に訴訟になった場合にあなたの主張通りの判決が出る可能性がある異議に対しては、かなり譲歩する場合が増えています。
あなたが事故発生状況から的確な異議を行うことが、適正な過失割合での早期解決に繋がるのです。

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自転車同士の事故の高額賠償裁判例

● 平成14年6月11日大阪地裁判決

二人乗りの自転車が坂道を下って高速度で三叉路に進入、対向進行してきた自転車の男性(69才)と正面衝突した事例。
男性は急性硬膜下血腫等の脳の傷害により病院で緊急手術を受けたが植物状態となり、一年四カ月後に気管支炎から肺炎を併発し死亡し、事故と死に相当因果関係があるかが争点となった。
チューブ挿入を余儀なくされたために感染症による気管支炎を発症し易くなったこと等から因果関係が認められました。

損害として、約3,730万円を認容。
このうち、逸失利益は平均余命を約13年として厚生年金収入約1,070万円。

● 平成14年2月15日さいたま地裁判決

男子高校生が自転車で歩道から交差点に無理に進入。保険勧誘員の女性(60才)が運転する自転車と衝突して転倒させた事例。
女性は頭蓋骨骨折で病院に搬送されたが九日後に死亡しました。

約3,140万円の支払い命令。

● 平成7年3月17日東京地裁判決

信号のない見通しの悪い交差点での出会い頭の事故で、今回は加害者となった女性が、今回は被害者となった男性工員(61歳)の右側面に衝突して転倒させた事例。
ただ、双方に交差点での安全確認義務の過失を認定し過失割合は50:50。

男性は左大腿骨骨折による人工骨置換によって足が2センチ短縮したため、後遺障害8級7号。
損害額として約1,007万円を認容。

過失が半々なのに痛み分けどころか一千万越えの「借金」を背負うこととなった事例です。

事例は暇があれば徐々に増やしていく予定です。


以下は、知っておくと役に立つこともあるかもしれない判例です。

● 平成19年3月5日東京地裁判決

赤信号により双方が一度停止し、青信号になってから被害者男性(タクシー運転手)が横断して加害者男性の横をすれ違おうとしたところ、加害者がよろけたためにX地点で接触し、被害者が信号機の鉄柱に顔をぶつけたという「交差点付近の歩道上での自転車同士のすれ違い様の接触事故」の事例。
なお、双方とも他に特に問題となる過失はありませんでした。

被害者の傷害:頭部外傷、顔面挫傷、左手背部擦過創等。
過失割合は、被害者:加害者=40:60。
被害者の過失として考慮されたのは、加害者の横を通る際にもう少し注意すべきだったということと、サイズ不一致・体格不適合の自転車運転の不安定性。
損害額として、約6万円を認容、既払額と合わせて約70万円。

この判例をもう少しだけ詳しく

サイズ不一致・体格不適合の過失

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中学生加害者の親の指導・監督責任を認めた判例

● 平成19年東京地裁判決

午後6時40分頃に発生した自転車同士の事故で、加害者は当時中学生(13歳)。
同一方向に先行していたお婆さんの右折中に、加害者が高速度でぶつかった事例です。

本件の高速度は、現場検証による位置関係から割り出され、加えてノーブレーキであったことから問題となりました。
呆れたことに、高速度に加えて無灯火でした。
しかも、ライトは故障ではありません。加害者本人が点けてなかっただけです。

この点が、ライトの故障を放置していた親というポイントを挙げた上記の平成16年京都地裁判決とは異なります。

本判例の注目ポイントは、加害者の親の責任を「親の発言」と「事故後の加害者の対応」から追及したことです。

この判例の簡単な注意点を確認する(「親の指導・監督責任を認めた例に着目する」に戻る)

● 平成16年京都地裁判決

親の監督義務懈怠を認め、約269万円の支払を加害者の親に命じました事例。

午後11時10分頃に発生した自転車対歩行者の事故で、加害者は当時中学生(14歳)。
この時、加害者は無灯火でライトが故障していました。

この裁判で、裁判所は、次の二点を認定しました。

  • ライトが故障した自転車に乗っている子供を放置し、これが事故の一因となっていること
  • 深夜この自転車に乗って行動することを放置していたこと

以上の状況から、
裁判所:「親としての監督義務を怠っていたものと言える。そして、事故が発生した。親の義務違反は民法709条の不法行為責任に当たる。だから賠償しなさい。」
といった訳です。

この判例の簡単な注意点を確認する(「親の指導・監督責任を認めた例に着目する」に戻る)

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被害者の過失の主張・立証に失敗した例

● 平成20年2月29日名古屋地裁判決 自転車同士の衝突事故

交差点では左方車だった加害者が交差点を右折をして逆走状態となった直後、交差点に差し掛かる以前の被害者に気付いて回避行為を取るも運転操作を誤って被害者に衝突し、転倒させて傷害を負わせた事例です。

被害者は日傘を差して片手運転をし、かつサドルに座った場合に両足がつま先立ちでようやく地面に着くという体格不適合・サイズ不一致の自転車に乗っていました。

訴訟において、加害者側は「被害者の交差点進入時の減速義務違反・前方不注視、傘差しによる回避行為の難、体格不適合による転倒時の被害の拡大等」を主張しました。

裁判所は、被害者の傘差しについて『運転操作に支障を生ずる可能性が高い運転方法』で、体格に適合しない自転車に乗っていることについて『年齢等の属性に鑑みると、安全上の問題があったものと評しうる』としていました。
しかし、結果は「加害者:被害者=100:0」です。

裁判所:「原告の損害が発生するうえで、上記の各点が何らかの寄与をしたものとまで認められない。」
として、加害者の主張を退けたのです。

ちなみに裁判所は、上記の通りの事故発生状況ゆえ本件を交差点での出会い頭の事故ではないとしていました。

この資料を確認しましたが、被害者の損害が発生する上で、被害者の過失要素が明らかに事故発生と損害の拡大に寄与していました。
そうであるのになぜ、このような判決が出たのでしょうか?
実は、加害者は単に被害者の法令違反等を並べて、上記の通りそれが危険な状態ゆえ被害が拡大したのだと主張しただけで、それがどのように被害拡大に寄与したかを明確に指摘・説明していなかったのです。
この結果は「被害者の過失要素が結果にどのような影響を与えたか・どのように作用したか」についての加害者側の指摘・主張・立証が薄かったために出された判例であると言えます。

迷惑な話ですが、同様の事例において、明白な法令違反を行っていた者の保険会社や弁護士がこの判例を持ち出した挙句、過失を認めないという事態が起きていますので、事故発生状況等に関して必要な確認等怠ることなくしっかりと戦略を練り上げるよう注意しましょう。

この判例の簡単な注意点を確認する(自転車事故の過失割合算定のページに戻る)

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弁護士費用の請求は難しい

弁護士・行政書士等の専門家は、依頼人に対して費用等明確に説明し、費用対効果から依頼人に過度の負担をさせないように気をつけるべきです。

しかし残念なことに、言い訳・誤魔化しを駆使して無駄に引き延ばし、依頼人に過度の費用を請求する者がいます。

返還を求めても、

弁護士:「頼まれたからやったんだ。一応説明はしたが、どうしてもと言うからそれならと。」

などと言われるでしょうから、解任通知を送付する等、書面等でしっかりやっておかないと立証が難しいでしょう。
信頼できる場合でなければ、口頭でのやり取りは避けるようにするか、録音することが大切です。

さて、そうなると事件・事故の被害者は、無駄な専門家費用をどうしようということになるのですが、相手方に請求するのは難しいのが現実です。

弁護士等専門家費用に関しては、場合によっては一割程度認められることもあるとされていますが、やはり厳しいです。

なぜそんなことが言えるのかというと、ある損害賠償請求事件において無理を承知で訴訟代理人として、専門家費用を上乗せして被告に請求した経験があるからです。

驚いたことに、債権額の3分の2にもなる費用を依頼者に請求した弁護士がいたのです。
普通なら依頼者に費用対効果等説明すべきですが、それをせず、ただただ報酬を得ようとした輩がいたという訳です。

証拠もないということだったので、本当に無理を承知で、知り合いにも十中八九無理と説明した上で、やるだけやってみようということになりました。

もちろん業務としてではありませんから、裁判所の許可を得て訴訟代理人になっています。

結果は、と言うと、予想通りその部分(下記判決書の事実及び理由:第1:遅延損害金を請求していない部分)は「棄却」されました。
ですから、下記判決書の主文3の通り訴訟費用も5分の2が原告の負担となり、理由として判決書P5のように判示された訳です。

二件目の訴訟費用額確定処分は上記とは別件になりますが、やはり専門家費用は損害として認められず、認容されたのは請求額の7分の6でした。
こちらは判決書が手元にありませんでしたが、P2:別紙計算書の通り、相手方訴訟費用額7分の6と按分されていますので、その旨が確認できると思います。

弁護士費用が特別損害と認められるか否かは、各当事者の力量差(例:弁護士 対 法律がよく分からない者)や相手方の言動、その他いろいろな状況によって変わってくると思います。
また、判決書P5の非公開部分で裁判長が判示した点をクリアにすれば、認められる可能性が高くなると思われますが、かなり厳しいものとであると念頭に置いておきましょう。

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