平泉澄博士 全著作紹介
田中卓 編著

巨大な平泉史学
その精髄が判る便利なガイドブック!
戦前・戦中・戦後の30冊近い各著作の成立経緯・本文概要・意義影響などの解説から”皇国護持史観”の真面目が明らかになる。
2008.8.19
中世に於ける精神生活』 日本の中世が欧州の中世暗黒時代と類似している点が多々あるところが興味深い。その中から、武士に禅宗が芽生え、宋学となっていったのだという。

武士道の復活』 本書では『物語日本史』に書かれている内容と重複するが、橋本景岳の章が勉強になる。いずれ、橋本景岳全集を読むべきかも知れない。全体的に情緒過多で読むのが辛く、特に皇室観については福澤諭吉翁の『帝室論』の方が優れている様に思われる。しかし、このくらいの熱情と冷静な判断が結合すれば良いのでは無いかとも思う。

物語日本史』 皇国史観で貫かれた、子供向けの日本通史であるが、昨今の自虐史観にすっかり辟易していると、この本は非常に貴重な存在に思える。戦前戦中の激越な愛国ぶりもやや抑制が効いて、今時の東京裁判史観を中和するには丁度良い本である。

芭蕉の俤』 詩歌に対する理解、造詣不足にて読むのに挫折してしまった・・・。これも永年の鍛錬が要りそうで、自分はもう手遅れかな。しかし、幾許かでも詩歌を知りたいとも思った(ダメだこりゃ)。

山河あり(全)』 紀行であると同時に敗戦後の日本の傷手からの復活を願う書でもあり、ところどころに書かれている日米開戦の事情、原爆、北方領土の件などは今でも変わらず重要なテーマだ。

先哲を仰ぐ』 講義の打聞きをまとめたものだそうである。吉田松陰、橋本景岳、眞木和泉守は勿論のこと、山鹿素行や山崎闇斎とその一門などについて語られる。加えてエドマンド・バークも自分には新鮮であった。日本では余り言及されることが無いようだが、現在、保守主義の再建が叫ばれる中、明治維新と志士などが専ら採り上げられることが多いように思うが、更に遡って国学や水戸学、崎門の学にも到達すべきだろう。非常に参考になる本であった。

明治の光輝』 明治天皇、明治時代、そして大東亜戦争後の東京裁判史観によって否定された日本との対比。今なおこの問題は続いている。これは、”失われた63年”とでも言うべきかも知れない。

首丘の人 大西郷』 西郷隆盛の生涯を、平泉史観によって読み解く。

日本の悲劇と理想』 これは他書と異なり、余命短しと感じた筆者が、大東亜戦争の特に開戦前の状況と近衛文麿公を中心に、松岡洋右外相、東条英機陸相などの動き、荻窪会議とそれに連なる日米交渉の数々と決裂に至る迄の過程を描いたものである。一部当事者でもあった著者の悲劇と理想が、近衛公の悲劇と理想、そして日本の悲劇と理想と重ね合わせて記されている。





はしがき − 平泉澄博士小伝 −     田中 卓

前篇 − 主に研究書
中世に於ける社寺と社会との関係 藤本 元啓
中世に於ける精神生活 出村 龍日
我が歴史観 渡邊 寛
國史学の骨髄 清水 潔
武士道の復活 伊藤 陽夫
萬物流轉 伴 五十嗣郎
建武中興の本義 堀井 純二
菊池勤王氏 小川 常人
名和世家 山本 憲二
楠公 その忠烈と餘香 ii 弘
傳統/付・革命と傳統 横山 泰
芭蕉の俤 嬉野 通義
寒林史筆 秋山 一實
平泉博士史論抄 所 功

後篇 − 主に啓蒙書
少年日本史/付・英訳本 田中 卓
日本歴史物語(中) 中山 エイ子
天兵に敵無し 野木 邦夫
山河あり(正・續・續々) 渡邊 規矩郎
父祖の足跡(正・續・續々・再續・三續) 平泉 隆房
先哲を仰ぐ(三訂版) 所 功
山彦(増補版) 川北 清之
解説 近世日本国民史 松浦 光修
解説 佳人之奇遇 中村 貴史
明治の源流 白山 芳太郎
明治の光輝 渡邊 毅
首丘の人 大西郷 浅野 伸一
日本の悲劇と理想/付・忠と義 三輪 尚信
悲劇縦走 廣瀬 重見
家内の想出 平泉 和美

あとがき − 本書の成り立ち −     所 功

平泉澄博士の略歴著作年譜(稿)     野木 邦夫
平泉澄博士研究文献目録(稿)     野木 邦夫
本文の人名索引     山本 憲二
平泉博士著作現行本の版元一覧     堀井純二
編者・執筆者の紹介


関連書
平泉 澄  み国のために我つくさなむ


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